-白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)-


白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)の効能

体力中等度以上で、日射病などで多量の汗をかき、体がほてり、激しくのどが渇いて、舌や唇が乾燥し、水を欲しがる人に用います。熱中症、腸チフスなどの熱病、糖尿病の初期などに応用します。湿疹、皮膚炎、熱性疾患などに用いられます。熱が高く、のどが渇く、水をよく飲む、発汗が激しい、顔がほてるなどの症状があるときに有効です。


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適応される主な症状

配合生薬

配合生薬の効能

石膏(せっこう)

石膏には、解熱作用 消炎作用 止渇作用 鎮静、鎮痙作用、抗アレルギー作用、収斂作用(組織を引き締め作用)があります。漢方では、利尿、激しい喉の渇き、体全体の熱さましを目標に処方されます。

成分は、主に含水硫酸カルシウム、微量に二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄があります。

粳米(こうべい)

漢方処方に用いる、うるち米の玄米を「梗米」といいます。漢方の古書には、梗米は元気を増し喉の渇きを止め、血液の循環をよくし、内臓の働きも活発にして、胃腸の働きを補い、筋骨を丈夫にすると記してあります。

梗米の大部分は澱粉質で、栄養としてビタミンA、B1、B2、B6、B12、E、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ガンマーオリザノール、イノシトール、フイチン酸を含んでいます。

米は粥にして、薬の効果を増進するためにも使われます。

知母(ちも)

知母は解熱、消炎、利尿薬として用いられる他、糖尿病治療薬としても効果があります。

サポニン成分チモサポニン類に血糖降下作用が認められています。水性エキスには、消化性潰瘍形成抑制作用やホスホジエステラーゼ阻害活性(中性脂肪の分解を促進するサイクリックAMPを増やす作用)があります。

その他の成分として、キサントン配糖体のマンギフェリンや、ニコチン酸、パントテン酸などを含みます。

甘草(かんぞう)

甘草は漢方治療で緩和、解毒を目的として、いろいろな症状に応用されますが、主として去痰、鎮咳、鎮痛、鎮痙、消炎などです。

有効成分のグリチルリチンには、痰を薄めて排除する作用があり、体内で分解するとグリチルレチン酸となって咳を止めます。

その他、グリチルリチンには多種多様の薬理効果が有り、消炎、抗潰瘍、抗アレルギー作用の他、免疫活性や、肝細胞膜の安定化、肝保護作用、肝障害抑制作用などが明らかにされています。

有効成分イソリクイリチンおよびイソリクイリチゲニンは糖尿病合併症の眼病治療薬として、また胃酸分泌抑制作用もあり胃潰瘍の治療薬として期待されています。

甘草はあまり長期服用しますと、低カリウム血症、血圧上昇、浮腫、体重増加などの副作用が現れることがあるので、注意を要します。

人参(にんじん)

漢方治療において最も繁用される有名生薬の一つで、古くから高貴な万能薬としてよく知られています。漢方では強壮や胃腸衰弱、消化不良、嘔吐、下痢、食欲不振などの改善を目標に幅広く処方されます。

この生薬の特異成分であるダマラン系サポニン(主としてギンセノシドRb、Rg群)は動物実験で、強制運動に対する疲労防止、および疲労回復、抗ストレス作用、ストレス潰瘍防止、免疫活性およびアンチエイジングなどを示し、各種機能の低下を抑制する作用が認められています。

その他、抗炎症、抗悪性腫瘍、肝機能改善作用、血糖降下作用、血中コレステロールおよび中性脂肪の低下作用なども確認されています。また、記憶障害改善(抗痴呆)効果が示唆されています。


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漢方薬の使用上の注意

漢方薬の副作用


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